漫画『同居人の美少女がレズビアンだった件』は、ありのままの自分で生きる大切さを教えてくれる。

お二方の話をテレビでも見たことがあったので、漫画も出てたんだーと思いつつ読んでみました。

そしたら、めちゃめちゃ深い…!!!レズビアンでも、レズビアンでなくても読んで欲しい素敵な作品でした。本当におすすめです。

▼漫画担当の小池みきさんの別の著作(別名義)も、一緒に読むと興味深いです。

目次

あらすじ。

33人が同居するシェアハウスにやってきた、とってもかわいい女の子。彼女の名は牧村朝子、通称「まきむぅ」。職業はタレント。

ある日彼女はこう言った。「私、早く彼女が欲しいな~」そう、彼女は「レズビアン」だったのだ。

やがて“運命の人”森ガ(フランス人)と出会ったまきむぅ。なんとフランスで「結婚」までするそうな!?幸せいっぱいに見えるふたり、でもその過程には当然悲喜こもごもが……。

元同居人みきによる、独断と偏見と愛に満ちた(?)恋愛観察日記。牧村朝子公式ブログで人気を博した連載漫画の書き下ろし書籍化!

この漫画は牧村さんと同居していた作者さんの視点で描かれます。絵が可愛いです。

 

牧村さんと、奥様の写真がこちら。

おふたりとも美女だ…!美しすぎます…!漫画担当のみきさんも美人です。

私は「レズビアン」?「タレント」?一生懸命「自分自身」になろうとする牧村さん。

男性と付き合った経験もあり、婚約までしていた牧村さん。

「自分が好きなのは女性だ」

という気持ちに嘘がつけない、ということでお相手に別れを告げて、後の奥様になる森ガさんに出会います。

 

自分は「レズビアン」?「タレント」?と、牧村さんは葛藤します。そして、

自分は自分なんだ!
「レズビアン」というものにならなくて良いんだ!

と、ありのままの自分でいればいいんだと気づきます。

別に「レズビアン」に限ったことではないと思う。

私(みきさん)がモテたいあまりにCanCam的な仮面をつけても、すぐバレるし見苦しいに決っている。

よしんばごまかせてもすぐ化けの皮がはがれるだろう。

 

化けの皮によってくる男と本体の私がうまくつきあえるわけはない。

いやつきあったことないんだけど、そうなんだろうたぶん…

 

牧村はもちろんすぐそのことに気づいた

牧「やーめた!私『レズビアンさん』じゃなくて、牧村朝子だったわ!」

牧村さんをちゃんと理解している、作者のみきさん。

とっても優しいです。観察力がものすごいです。

 

みきさんは、牧村さんカップルを客観的な視点で描きつつ、同時にご自身のことも描いていらっしゃいます。

私は私なりに色んなテーマで悩みや孤独があった。誰だってある。セクシャリティの悩みだけを特別視する必要があるだろうか?

人を助けられるかもしれない手の数は多いほうがいい。私だってそうやって誰かに助けられてきたんだから。

「自分とは?」という悩みは、レズビアンでなくてもあります。

 

レズビアンの牧村さん、牧村さんと似た悩みを抱えるレズビアンではない作者さん。

2人の対比が面白かったです。

言葉で表現すると、はみ出してしまうものが出てくる。

作者さんも牧村さんも、すごく繊細で優しい方です。

牧村は「言葉」を「世界を切り分けてしまうもの」だと言う。

切り分けた時そこには必ずはみ出るものがある。牧村はその暴力性に敏感だ。

 

私は文章を書くのが生き甲斐で「言葉」を商売道具にしてきた。それは自分も他人も切りまくるということだが、まあそれは仕方ないと思ってた。

「レズビアン」
「セクシャルマイノリティ」

 

そうした言葉にちょん切られる苦しみを彼女は忘れない。

彼女が批判する「言葉で世界を切ること」をやらせているのは私だ。

確かに、言葉というのは、人や物や概念を区切って、名前をつけたものです。でも、人や物や概念の境界線は、いつもクッキリしているわけではなく。

例えば「赤」という言葉は、オレンジに近い赤も、紫に近い赤も、全部「赤」でまとめてしまいます。

 

言葉で表現することではみ出てしまうものを、ちゃんとすくい取りたい、「レズビアン」という言葉からはみ出てしまう中間的なものも認めたい、という気持ちが優しくて素敵だなと思いました。

恋人探しに積極的な牧村さんの姿が素敵。

レズビアンうんぬんではなく、牧村さんの恋人探しへの意欲がとっても素敵です。

見知らぬ女子「ねえねえどうしよー声とかかけらんなーい」

牧「しっかりしなさい。自分で出会わなきゃ。」

牧「運命の人に巡り会うから、うんと可愛くしなきゃ」

主体的で、自分の幸せをちゃんと自分で掴みに行こうとする姿勢が、すっごく憧れるし、応援したくなります。

 

そしてこんな前向きな努力の末に、森ガさんに出会います。映画かー!

まとめ。「自分って何?」ありのままの自分を再確認させてくれる漫画です。

この漫画では「レズビアン」というセクシャリティが一番の主題になっています。でも「レズビアン」の話を通して、

「自分って何?」
「自分は自分!」
「他の人はこう思ってる。でも自分は?」
「自分はどうしたい?どうありたい?どう生きたい?」
「社会にどう貢献したい?どういう役割の人でいたい?」

と、人としての生き方を教えてくれる漫画でした。

彼女は今はこう言う。

牧「私はもう自分のこと『レズビアン』だと思ってないの。その言葉にこだわる必要ないから。」

それは今の彼女の本心で、今までそうであったようにまた変化していく感覚なのかもしれない。

 

私にとってはどうでもいいことだ。

彼女がどう名乗っていても、私の目に映る人間は同じだもの。

本当におすすめです。是非読んでみてくださいー!