「母親から嫌な扱い、もしくは虐待を受けている。ひどいことを言われている。でも、父親は全然理解してくれない。」
という、女性のお声をちょくちょく聞きます。
私の友達でも、私の個別セッションのクライアントさんでもよくいらっしゃいますし、私の父も実際そうでした。
私は父とは仲が良く、父のことは尊敬もしていますが、毒母のことを父に理解して貰うことはとても難しかったです。
▶機能不全家族、毒親、虐待。母親を殺したかった娘の26年間の実体験。
そこで、父親が子どもの気持ちを理解しきれない理由と、具体的な事例をまとめてみました。
自分の父親しか間近で見ていないので、偏った見方ばかりかもしれません。お子さんを持つお父様からブーイングを頂きそうだとも思います。しかしその反面、よりお子さんの気持ちを理解するキッカケにして頂けるとも思ってます。
お父さんに対して、もどかしくて苦しんだり、イライラしている娘(息子)さんの助けになれば幸いです!
目次
そもそも期待すべきじゃない?父親が娘を理解しにくい理由。
父親は仕事で外にいる時間が長い。
共働きの家庭もたくさんあります。が、今でも、父親が外で働いて、母親が家で子育て、はよくあるスタイルです。自然と、母親は子どもと接する時間が長くなって、父親は家にいる時間が短くなります。
すると、父親は家で何が起こっているかを把握しにくくなります。
例えば、日中~夕方に子どもが母親からひどい扱いを受けていても、父親が帰ってきた頃には家族は皆寝ている、もしくは自分の部屋で過ごしている…ということもあるでしょう。家庭内で問題が起きても、父親はそれを見ないまま、知らないまま、年月だけが過ぎていくのです。
私の父の場合は、朝早く家を出て、夜遅く家に帰ってくるという、よくある会社員の生活スタイルでした。子どもだけでなく、私の毒母ともあまりコミュニケーションがとれていない様子でした。
そのため、私が毒母からの虐待について非難をすると「えっ!お母さんと仲良くやってたじゃん!」とトンチンカンなこと言ったり、具体的にされたことを列挙すると「そんなことされてたんだ。」と初耳といった反応をします。
もうね、話なんて噛み合いませんよ…!(*_*;)
毒母が虐待をしていたことも分かっていないので、自分が虐待を止めに入る必要があったとも思っていません。
今は父は自分で事業をやっていて、自分の家によくいます。(今は父母二人暮らしです。)もし、最初からその生活スタイルで、日中もよく家にいて、毒母の虐待をみていたのなら、また子どもの心の傷は軽く終わったのかな…と思うところもあります。
とはいえ、「自分の父親は会社員」「日中は家にいない」という方が多数派だと思います。
父親は家庭内で起こっていることを正しく把握しているもの、とは期待しない方が良いです。
仕事でいっぱいいっぱいで、家庭を見る余裕がない。
私自身、社会人になって仕事が忙しかった時、洗濯や友達と会うことすらしんどい時がありました。
毎日仕事で忙しいと、心の余裕が無くなって、それ以外が疎かになりがちです。
勿論、
「仕事が忙しいからしょうがないよね。子どもが母親に虐待されてるのが見えてなくても、仕方ないよね。」
と、割り切れるものではありません。
とはいえ、仕事の忙しさのため、子どもへの配慮が薄くなってしまう人もいます。
家族団らんが、面倒くさい。
「子どもと過ごす時間は幸せ!」と思う父親は勿論世の中にたくさんいます。
しかしその一方で「家族サービス」という言葉があるように、中には、
「家族と過ごすこと=自分を犠牲に頑張ること」
という考え方の人もいます。理由は様々で、単に「仕事で疲れているから休みたい」という人もいるでしょう。
とはいえ、世の中の父親全員が全員、子どもと過ごしたい、関わりたい、と思っているわけではないのです。
うちの場合は、今でこそ私や弟が父と食事をする時間はたくさんあります。しかし、私達が学生の頃は、何事も待てない父が先にご飯を食べて、それにいらだって暴言を吐き散らす毒母と、残りの家族でご飯を食べる、という状態でした。
皆で一緒に御飯を食べながら親と子どもが会話する、という時間を父親全員が望んでいるというものではありません。当然のもの、という期待はあまりおすすめではないです。
話を聞いたり、傷ついた心に寄り添うスキルが長けていない。鈍い。
話せば分かる、優しい言葉をかけてくれるはず、という期待はおすすめしません。
男性でもカウンセラーさんなど、人の話を聞いたり、傷ついた心を癒やす職業の方もいらっしゃいます。他の職業の方でも、人の気持ちを理解できる男性は沢山いらっしゃいます。
しかし一般的に、女性に比べて男性の方が、話を聞いたり、共感するスキルは長けていないと言われます。
うちの父の場合は、私が毒母の虐待について何度も根気よく説明するうちに、一度だけ、
「お母さんから、そんなひどいことをされたんだね。」
と、同情の言葉をかけてくれたことがありました。でも、翌日になったら忘れていて、
「お母さんと◯◯でご飯食べるけど、来るー?」
という連絡をしてきました…。何度説明しても、きりがありません…!!
口で説明してダメならと紙に書いたものを突きつけたことがあります。しかし中身を読むことはなく、その場で紙を折ってカバンにしまわれてしまいました。その後も、読まれないまま、きっとゴミになっていることでしょう。
「話せば分かってもらえるはず。」
「つらかったね、苦しかったね、という言葉をかけてくれるはず。」
と、分かって貰えて当然、という期待はしない方が良いです。
とはいえ、他の部分では父親の役割はしてくれている。
ということから、私は、
「父親に理解して貰うことは、いっそ諦めてしまった方が気持ちが楽!!!」
という結論に至りました。
も~~~無理です。何度説得しても聞いてないし、のれんに腕押しだし、話噛み合わないし、伯母(父の姉)が一緒に訴えてくれても全くうんともすんともです。
それでも、他の部分ではちゃんと父親をしてくれています。
しっかり仕事で輝いて、カッコイイ姿を見せてくれて、生き方を教えてくれて(毒親、アダルトチルドレン以外の部分ではですが!)、とても素敵な父です。
人にはできることと、できないこととがあります。パーフェクトな人間は存在しません。つまり、パーフェクトな父親も、きっと存在しないのですw
父ができない部分を求めることはやめて、して貰えている部分を受け止めよう、というスタンスがおすすめです。
まとめ。父親に分かってもらえなくてしんどい娘は、あなただけじゃない。
私の個人セッションを受けて下さった方にも、やはり、
「父親とは仲が良い。でも、母親のことは理解してもらえない。」
と言う方が結構いらっしゃいます。(父親が理解してくれる娘さんは、悩みがどこかのタイミングで解消されるから、私のところにはいらっしゃらないのかもしれませんね。)
それ自体ももどかしいとは思うのですが、イラだちが大きくなるのは、
「理解してくれないのは、自分の父親ばかり。他の家のお父さんはきっともっと理解してくれてるはず。」
と思っているから、という理由もあるんじゃないでしょうか。無意識に、世の中の父親像のハードルを少しあげてしまっているのです。
そんなことないですよ!
世の中のお父さん、そんなデキの良いお父さんばかりじゃないですよ!!
しんどいと思う娘さんはあなただけじゃないです。
娘は、父親にあまり過度に期待しすぎないようにするのがおすすめですよ!!