人には色んな「個性」があります。
ただ、毒親の餌食になりやすい「個性」もあります。
例えば、「真面目」「献身的」などの「個性」は、普通なら長所になるものです。
その反面、相手を選べていないと、「悪い人に傷つけられやすい」など短所にもなります。
「個性」は、毒親以外の人、例えば友達、恋人、夫、妻、職場の人に対しても、普段から出ているはずです。
会社で、優しい同僚に真面目に接して良い関係を築けていたり、
反対に、不真面目な同僚にも真面目に接してしまっていて、しんどい思いをしていたり。
この記事では、
- アダルトチルドレンになりやすい「個性」
- より生きやすくなる方法
をまとめてみました。
自分の「個性」を分かっておくことと、理不尽に傷つかないように「個性」を出す相手を選ぶこと、が大切です。
目次
真面目。責任感がある。
- 毒親からおかしなことを言われたり、理不尽なことをされたりしているのに、真面目に受けとめてしまう。
【毒親以外で】
- (仕事で)無理な量の仕事を与えられても、頑張ってこなそうとする。
- (友達や恋人から)八つ当たりをされても、「どうしてそういうことをするの?」「私がどうしたら機嫌が直るの?」と真面目に受けとめてしまう。
【対策】
- 真面目に接するのは、真面目な人だけにする。
- 人を見る目を養う。
- 「相手が間違っているのでは?」と、疑う目を持つ。
真面目なこと自体は、人からも信頼されるし、良いことだと思います。
でも、毒親をはじめ、真面目に接しても無駄な人もいます。
そういう人と真面目に関わろうとすると、しんどくなったり、トラウマを負ってしまいます。
不真面目な人には不真面目で、毒親には毒子になって良いのです。
参考記事:毒親には毒子になる。毒親を幸せにする責任なんてあなたにはないんだよ。
あなた本来の真面目さは、真面目な人にだけ出しましょう。
そして、安全な人とだけ良い関係を作ることに注力しましょう。
根性がある。何事も最後までやり抜く。
- 毒親にひどいことをされても、逃げるより耐えようとしてしまう。
【毒親以外で】
- (仕事で)激務続きなのに、さらに頑張る。
- (仕事で)「まだ頑張れる」「自分よりもっとつらい人もいる」と思う。
- (仕事で)「自分が弱いからだ」「もっと強くならなきゃ」と思う。
- (友達や恋人と)悪い友達や恋人と付き合っていてしんどいのに、距離を置かずに耐えて付き合い続けてしまう。
【対策】
- 嫌なことからは逃げて良るのが普通、と知る。
- 危機管理能力を身につける。
- 「危ないな」と感じる人、嫌な気持ちになる人とは距離を置く。
- キャパオーバーになりそうだと感じること、嫌な気持ちになることはやらない。やらなくて良い環境に移る。
人から嫌なことをされたら耐えるものではないですし、ましてや逃げてはいけないなんてことはありません。
すぐに離れましょう。
身の危険を感じても逃げずに耐えようとしてしまうのは、人間くらいです。
もっと居心地良く過ごせる環境は、必ずありますよ。
献身的。困ってる人を見捨てられない。
- 「毒親もつらい思いをしたから、こんな風にしか振る舞えないんだ。子どもの自分がなんとかしてあげなきゃ」と思ってしまう。
- 「家族を平和にしなきゃ」「兄弟を守ってあげなきゃ」と思ってしまう。
【毒親以外で】
- (仕事で)頼まれ事を断れず、仕事のしすぎで倒れる。
- (友達と)周囲の人の相談に乗りすぎて、ストレスを抱える。
- (恋人と)「自分がいないと、この人はだめになってしまう」と尽くしすぎる。
【対策】
- 助けを求める。
- 自分より適した人に任せる。
- 毒親は不幸でいるのが幸せかもしれない、と別の切り口を考える。
- 子どもが毒親の面倒を見る必要は無い、と知る。
アダルトチルドレンさんからよく聞くのが、
「自分が毒親に耐えていなかったら、家族はだめになっていた」
という言葉です。
困っている人を見捨てられない気持ちは素敵です。
でも、自分のキャパシティ以上に頑張ると、ストレスやトラウマを抱えてしまいます。
あなたがトラウマを負ってまで、やるべきことなんてひとつもありません。
もし「嫌な思いをしてもいいから助けたい」という場合は、どこまで余裕を持ってできるのか、どこからがしんどいのか、自分のボーダーラインを知っておくのが大切です。
また、ぜひ自分よりうまく対処できる人に、助けを求めましょう。(警察、児童相談所他)
自分がしんどい思いをしないとできなかったことは、もっと上手にやれる人が誰かいるはずです。
人は変わってくれると思っている。
- 「毒親は今は自分にひどいことをするけれど、きっと変わって優しくなってくれるだろう」と信じて、しんどい思いをし続ける。
- 毒親が変わらなくて落ち込む。
【毒親以外で】
- (仕事で)激務の職場だけど、いつか働き方改善されると信じて、しんどい職場にいつづける。
- (友達、恋人、夫、妻と)周囲の人が変わってくれると信じて、ストレスを抱えつづける。
- 相手を変えようと頑張って、相手に嫌がられる。
【対策】
- 人は自分が望むとおりに変わるわけではない、と理解しておく。
他人は、変えようとしても変わりません。
人が変わることはありますが、それは相手自身に何か気づきがあったりして、たいてい相手のタイミングで変わります。
嫌なことをされたとき、やめてほしいと伝えるのは大切です。
それで変わるなら、少しすり合わせをすれば分かり合える相手だったということです。
それで変わらないのに、さらに相手を変えようと努力するのは、徒労になってしまいます。
誰かが何か言ったからといって変わるわけではないのに、毒親を変えようと頑張ってしまうと、
「何回も言ったのに毒親は変わらなかった!!」
とトラウマを抱えるアダルトチルドレンになってしまいます。
毒親は、もともと所詮その程度の人間です。
私は、毒親や物言いが強い友達に、もっと穏やかになってほしいとありとあらゆる説得をしました。
結局、相手は変わることはなく、逃げるように離れることになりました。
どんな人でも、その人の思う正義の中で生きています。
四六時中怒鳴っていようと、凶暴であろうと、周囲の人に危害を加えていようと、その人は正しいと思ってそうしています。
私はあるとき、彼女らを見ていて、
「ああ、この人は怒りたいんだ」
「周囲の人に怒鳴り散らしたいんだ」
と気づきました。
そして、彼女らに変わってほしいと頑張っていた自分が、余計なことをしていたのだなと感じました。
今では、誰かが他人を変えようとすること自体が過干渉だ、思っています。
相手を変えようとしなくても気分良く付き合える人が、あなたが付き合うべき人です。
合う人と良い関係を築く方に、力を注ぎましょう。
性善説を信じている。
- 「どんな親も子どもに優しいのが当然。だから、毒親もそうなってくれるはず。」と信じる。
- 周囲の人が親身になってくれるはずと期待するけれど、「親御さんもあなたのためを思ってるんだよ!」と言われたりして、より傷つく。
【毒親以外で】
- 自分は人に優しくするのが当然なのだから、他の人も自分に優しくしてくれるはず、と過度な期待をする。
- 人を信じすぎてしまい、騙されたり、裏切られたりする。
【対策】
- 人を見る目を養う。
世の中には良い人もいれば、そうでない人もいます。
毒親で痛い目を見ているアダルトチルドレンさんなら、痛いほど分かるはずです。
人を見る目を養っていきましょう。
困難を乗り越えた先に幸せがあると思っている。
- 今は毒親からひどい扱いを受けている。でも耐えた先に幸せがあるはず!と、しんどい思いをしつづける。
【毒親以外で】
- (仕事で)「これをやれば成長できるはず」と、理不尽でつらいだけの激務を頑張る。
- (友達や恋人と)一緒にいてしんどいのに、もっと合う人を探さず、「これを乗り越えたら良い関係ができるはず!」と人間関係を良くする努力をする。
【対策】
- 広い視野を持つ。
- もっと良い方法を探す。
私はずっとこれで苦労していました。
参考記事:前世を癒やしたら、何十年も苦しんだ悩みがスッキリ解決した話[スピリチュアル]
以前は、「楽な道と険しい道なら、険しい道を選ぶ」「困難を乗り越えた先に幸せはある」みたいな考えでしたが、あまり良い成果が得られた記憶がありません。
幸せや良い人間関係は、たいてい「良い気分で楽しく進んだ先」にあるなと思います。
幸せや、楽しさは、雪だるま式に増やしていくのが近道です。
何事も話し合えば解決すると思っている。加害者に直接抗議をする。
- 毒親に直接抗議するけれど、まったく改善されなくて、しんどい思いをする。
【毒親以外で】
- (友達や同僚と)合わない人とも仲良くしようとして、しんどい思いをする。
- 筋が通らないことを言う人とも、話し合って分かり合おうとして、ストレスを抱える。
- (仕事で)仕事で直接人を注意して、関係が悪くなる。
- トラブルが起きたときに、加害者に直接注意をしてさらにトラブルが大きくなる。
【対策】
- 合う人とは仲良くする。合わないと感じる人とは、距離を置く。あまり近づきすぎない。
- (仕事では)直接注意せずに、その人の上司に注意をしてもらう。
- (それ以外のトラブルは)警察や弁護士など、第三者の権力がある人に頼る。
毒親に一度は直接抗議をして良いと思い
でも、話し合えば関係が良くなる程度なら、そもそもあなたはアダルトチルドレンにはならなかったはずです。
毒親だけでなく、話し合ってどうにもならない人は普通にいます。
その場合は、その人から離れるか、誰かに注意してもらうか、直接話し合う以外の方法で解決するのがおすすめです。
まとめ。
こういった「個性」は、ただのその人の性質です。
「おおらか」という長所が、「大雑把」という短所にもなるように、良くも悪くもなるというだけです。
「直す」なんて必要は無いですし、人の性質は変えようとしてもそう簡単には変わりません。
真面目な人が、ちゃらんぽらんになることなんて不可能ですよね。
大切なのは、
- 自分にはそういう「個性」があると知っておくこと
- 出す相手を間違えると、自分が苦しんでしまうこと
- 心の傷を新しく作らないために対策を知っておくこと
です。
ちなみに私は、ここに書いた「個性」がほぼ全部当てはまっています。
さらに、私はアダルトチルドレンを克服した後も、この「個性」を持ったままでした。
そのせいで、毒親家庭以外でも、仕事や友達関係で、結構しんどい思いをすることがありました。
「毒親から逃げられなかったのは、まだ子どもだったから」
と思う人は、
「じゃあ今なら逃げられる?」
と、自分に問いかけてみてください。
「毒親から逃げられる?」
「ブラック企業辞められる?」
「愚痴ばかり言う友達からすぐ離れられてる?」
「嫌味を言う人からすぐ離れられる?」
もし、「今の自分ならできる!!」と思えるなら、【心の傷のケア】だけで良いと思います。
もし、「まだ同じことしてるかも」と思うなら、同じ傷つき方をしないためにも、
【心の傷のケア】+【個性の出し方を見直す】
のがおすすめです。