「他人との距離感が分からない」
「自分と他人の境界線があいまい」
「自分の身体が穴ぼこだらけな気がする」
「自分の輪郭がはっきりしなくて、なんとなく溶けている感じがする」
こんな感覚になる人に向けて書きました。
目次
「腕一本分の距離」。虐待を受けた子どもは、人との距離感が分からない。
虐待を受けた子どもたちについての、こんな記事を見つけました。
虐待を受けた子の多くは、人と適度な距離をとるのが苦手だ。「あいしてる」などと言いながら記者に抱きつく子もいる。
参考:「腕1本分の距離」の約束 虐待受けた子、制御できぬ心/朝日新聞デジタル(現在リンク切れ)
私も過去に一度、児童保護施設にボランティアに行ったことがあります。(※児童保護施設…虐待を受けた子どもたちが保護されて、生活している施設。)
そして、そこに行く前に、スタッフさんから事前注意を受けました。
「子どもたちは、初めて会う人に突然抱きついたりします。
突然暴言をはいたり『あんたなんて大っきらい!』と言う子もいます。
なのに、その後にじゃれてきたりもします。
せまい部屋に人を連れ込んで、胸やお尻をさわってくる子もいます。」
「ここの子どもたちは、人と接するときの距離感が分からないんです。」
アダルトチルドレンを克服する前は、私も他人との距離感がおかしかった。
かくいう私も、アダルトチルドレンを克服する前は、他人との距離感がおかしかったなという自覚があります。
参考記事:毒親の母を持つ私が、26歳でアダルトチルドレンを克服した14の方法。
距離感が変に近すぎて、特に親しくない人に深い話を身の上話を相談してしまっていたりしていました。
ただ、その人と話をするタイミングがあったというだけで、親しい人と話すときと同じような感覚で話してしまうのです。
特に、自己否定感が強まって「どうしよう!どうしよう!」とパニック状態になっているきや、悩み事があるときによくやってました。
逆に、もっと距離感が近くていい人に対して、遠すぎる距離感をとってしまうこともありました。
当時、
「他人が私のパーソナルな領域にズカズカふみこんでくる」
という意味でも、「自分と他人との境界線があいまい」という感覚はありました。
でも、自分のほうも他人と接するときに正しい離感ができていませんでした。今になって過去を振り返って実感していますが、過去の自分マズかったです…。
私がそうなってしまった理由は、強い自己否定感で自分自身を見失っていたせいでした。
毒母からいつも罵倒されて育っていたので、常に、
「自分は間違ってるんだ」
「他人の意見が正しいんだ」
「自分の意見より、他人の言うことに合わせるのがだいじ」
と思いこんでいたのです。
そしてそのせいで、自分の軸がぶれていき、どんどん自分を失っていったからでした。
自分を失うと、自分の心が他人でいっぱいになります。
本当は自分は「Aが正しい」と思っているのに、他人が「Bが正しい」と言っているのを聞くと「Bが正しいんだ」とさも当然のように意見をすりかえてしまったり。
そもそも自分が「Aが正しい」と思っていることにすら気づけなくなったり。
他人の意見に影響されてることにすら気づいていなかったり。
感覚的な言い方ですが、自分を失うと「自分が存在する」という感覚がどんどん減っていきます。
そして、他人と自分との境界線があいまいになります。
それが悪化していくと、誰と、どういう距離で接するのが正しいのか、感覚がつかめなくなるのです。
「距離感がうまくつかめてない」という自覚があればまだ良いですが、自覚も無いかもしれません。
過去の私は、間違った距離で人と接していることにすら、気づけてなかったと思います。
自分を取り戻すと他人との距離感が自然に分かる。
距離感が分からなくなってしまっても、自分を取り戻すと、距離感も自然に分かるようになっていきます。
過去の私も、心の傷を癒やして自分自身を取り戻していくと、他人との距離感がちゃんと分かるようになりました。
距離感がおかしくなってしまっていた頃は、
他人の言葉に振り回されて自分の意見をねじまげたり、
他人の目が気になって自分が良いと思うものを主張できなかったり、
他人に心の領域を侵食されて踏み荒らされてばかりだったのが、
メンタルケアをすすめるほどに、
自分はどう思うのか?
自分はどういう人間なのか?
自分はどうしたいのか?
自分は何が好きで、何が嫌いなのか?
がどんどんクリアになっていって、「自分」という輪郭がハッキリしてきました。
そして、曖昧だった自分と他人の境界線がはっきりして、距離感が自然と分かるようになってきたのです。
「あ…なるほど…他人との境界線ってこういうことか!!」
と、感覚的に実感しました。
他人との距離感が分からない、とお悩みの人は、まず自分自身を取り戻そう。
「他人との距離感が分からない」
「自分と他人の境界線があいまい」
と悩んでいる方は、ご自身の心をケアして、自分自身を取り戻すようにしてみてください。
見える世界がガラッと変わりますよ!
好きな物が分からない。食べたい物も分からなくなった私はこれで自分の「好き」を取り戻した。