人に頼れない人、甘えられない人の心理とは?
そうなってしまった原因とは?
仕事でも人間関係でもよくあることだと思うので、まとめました。人に頼れると、生きることが楽になりますよ。
目次
人に頼れない心理とは?メリットは?
人に頼れない人の考え方には、例えばこんな傾向があります。
- 人に頼る前に、できるだけ努力すべき。
- 聞く前に、まずググるべき。(=Googleで調べる)
- ストイック。自分にも他人にも厳しい。
- 人に頼ることは甘えだと思う。
- すぐ人に頼る人は、自立心がない。
- 頼ることは、相手の時間や労力をもらうことだから申し訳ない。
- 自分の尻拭いは自分ですべき。蒔いた種は自分で刈り取るもの。
- いわゆる長女・長男タイプ。
周囲からは「自立精神がある」「しっかり者」と言われるかもしれません。
人に頼れない性格のデメリットとは?
しかし、結構デメリットも多く、例えば、
- 無理をしやすい。
- ストレスを溜めやすい。
- 周囲にSOSを出すのが遅い。
- 人に厳しい。
- 人とコミュニケーションが少なくなる。
などがあります。
例えば、周囲から「大丈夫?」と聞かれて「大丈夫!」と元気に答えていたけれど、突然倒れて休職、という人もこのタイプかもしれません。
人に頼れない理由とは?
人に頼れない原因が単に、
- カッコつけたい。
- 優秀でいたい。
- 周囲の人に対抗意識がある。(例:運動で男性にバリバリ対抗したい女性。)
など、「素敵な自分でいたい!」という願望によるものならシンプルです。
しかし、「人に頼りたいとは思うけど、頼れない」という人は、単なる性格ではなくて、幼少期に原因があるかもしれません。
幼少期や親子関係に原因があるかも?人に頼れない性格の原因と心理とは。
例えば、こんな経験がある人は要注意です。
- 幼少期に自分の力で生きなければならなかった。
- 頼れる人が近くにいなかった。
- 親から十分な愛情が得られなかった。
- 親が自分のことで精いっぱいだった。
- 共働きで両親が不在のことが多かった。
- 親が不仲でいつも顔色を伺っていた。
- 長女・長男で、しっかりしていることを強いられていた。
- 親の借金・蒸発・一家離散など、頼っても裏切られることがあって人を信用できなくなった。
- 経済的に苦しく、小さい頃から家計を助けたり、妹や弟の面倒を見たり重い責任があった。
こういった経験があると、人に頼ったり、甘えたりすることに慣れないまま大人になってしまいがちです。
こういった幼少期を過ごした人には、例えばこんな心理があります。
- 頼るという概念がそもそもない。
- 頼れるのは自分だけ。
- 誰も助けてくれない。優しくしてくれない。
- 信じられるのは自分だけ。
- 人に頼ると裏切られる。
- 自分の力で頑張らないと、生きていけない。
- 人は自分のことで精いっぱい。だから、助けてもらえる余地なんてない。
- 顔色を気にしてしまう。頼りたいと言うのが怖い。
- 長男・長女だから自分がしっかりしなければいけない。
- 人に頼っちゃいけない。
ただこれらは、生まれ持った性格ではなくて、あくまで後からつけられた考え方です。
昔、記憶喪失になった人のあるドキュメンタリーがありました。
その人は過去の記憶を失った結果、まるで別人のような性格になり、今まで興味をもたなかったような職業に就いたのです。これを観ていて、気づいたことがあります。
それは、私たちの性格は、絶対的なものではなく、「思い出せる記憶」に基づいているということ。
私も頼れないタイプだった。そして母親に問題があった。
かくいう私も「人に頼れない」タイプでした。なので、同じタイプの気持ちはとっても分かります。
「甘えてんじゃないわよ!!」過度に厳しい私の毒母。
私の場合、人に頼れない原因は過度に厳しい毒母でした。朝から晩まで怒鳴っていて、
- 「何でも自分でやらないといけないの!!」
- 「人に頼るなんて最低!!」
- 「あんたのお父さんは服を脱いだら脱ぎっぱなし!!何でもやりっぱなし!!」
- 「何でもやってもらえると思ってんでしょ!!サイッテー!!」
- 「ちゃんとやりなさいよ!!甘えてんじゃないわよ!!」
- 「人に聞くんじゃないわよ!!辞書ひきなさいよ!!」
と何度も何度も叫んでいました。
食事中に、毒母の近くにある調味料をとってもらうことさえできませんでした。
もしとってもらえたとしても、大きな音をたててテーブルに叩きつけられて渡されます。
▶機能不全家族、毒親、虐待。母親を殺したかった娘の26年間の実体験。
毒母から「頼るな!」と言われ続けた結果。私の考え方はこうなった。
私は幼少期がこんな状態だったので、
「何でも一人でできないと、生きていけない。」
という概念を頭にガッチリ植え付けられることになりました。
そのため、すぐ人に頼ったり、人に聞く人を見ると、
- 「何ですぐ頼るんだろう?」
- 「一体何考えてるんだろう?」
- 「人に頼って当然ってどういう神経してるんだろう?」
- 「この厳しい世の中を生きていく気あるの?」
と不思議に思っていました。
また、「すぐ頼る人」はまるで「高級な神殿で寝そべりながら、召使にご飯を口に運んでもらっている富豪のご子息・娘」みたいな印象に感じていました。
一方、自分は「戦場でサバイバルをしている兵士」のように感じられて、この違いは何なんだろうと思っていました。
人に頼れないので、心身疲れ切って倒れる直前になってから、やっと周囲に相談したりしていました。
もしくは、つらい時期が終わってから「実はこういうことがあったんだ。」と友達に話して、「もっと早く言いなよ~!」と言われたりしていました。
強がってるわけでもなく、問題を処理する自信があるわけでもなく、「頑張りすぎちゃう私」を演出したいわけでもないのです。
頭では分かっていても「頼る」という概念がそもそも無いのでピンとこないのです。
「頼るなら、どのあたりから頼っていいの?
ちょっとつらいなって感じたら?
食欲が落ち始めたら?」
と思ったりもしていました。
「人に頼れない」という人は小さい頃を思い出してみましょう。
何か原因が分かるかもしれません。
逆に「頼って当然」と思う事柄もあった。
基本的には「人に頼ってはいけない」という考えでした。
でもその一方で「頼って当然」と思えている事柄もありました。
例えば、病気の介抱、機械や車関連のこと、でした。
幼少期の私は身体が弱かったので、よく毒母に介抱をしてもらっていました。また、それに関しては「頼るんじゃないわよ!!」とは言われませんでした。
また、母親とは正反対で父はとても穏やかで、よくパソコンなどの機械類を買ってもらったり、それらを何も言わなくても直してくれたり、重い物があったりどこかに行く必要があったらすぐ車を出してくれたりという人でした。
そのため、
- 病気の時は助けてもらえるもの
- 入院した時に介抱してもらえるもの
- 吐いて汚してもきれいにしてもらえるもの
- 機械は直してもらえるもの
- 車は出してもらえるもの
という感覚が、無意識に備わっていました。
「人には頼れない。テーブルの上の調味料を取ってもらうことさえNG。」と思うのに、もっと内容が重いこれらは「人に頼ってもいいもの」と思えるちぐはぐさがありました。
実際に、小学校の授業で消しゴムを忘れて隣の子に借りることになった場合は、
「なんてことをしてしまったんだろう…!!」
と絶望を感じていました。一方、体調不良で小学校の授業中に吐いてしまって、誰かに頼ったり、先生に片付けてもらったりしたときには、何も感じていませんでした。(なかなかトラウマもののエピソードのはずですが。)
他にも「人に聞く前に、まず調べるのが当然!」と思っていて、何かあるとすぐググっている一方で、友達とレンタカーを借りる際には、まったく調べずポカーンとしていたりします。
こういった、
「これは頼れるけれど、これは頼れない」
というような、「ちぐはぐさ」が見つかると、
「頼れないのは元々の性格じゃなくて、親からの影響のせいなんだ。」
と知るのに役立ちます。
また、頼れる事柄があるのならそれを思い出して、
「今『頼れない』と思っていることも、これと同じように『頼っていい』と思えるようにしよう。」
と参考にする糸口になります。
自尊心が無いせいで、自分には人に頼る権利が無いと思ってしまう。
他にも「自尊心の低さ」もありました。
私は小さい頃から毒母から心理的虐待を受けていたために、十分な自尊心が育ちませんでした。(今はメンタルケアを重ねて、自尊心を得ました。)
そのため、自分はこの世に存在してはいけない感覚になって、周囲の人全員が自分のことを責めてる気分になっていました。
「頼ったら怒られる」と怖くなるどころか、人と同じ空間にいることすらつらくて、
「1人で生きよう。誰にも頼らず生きられるようになろう。その方が気持ちが楽。」
と、思っていました。
また、自分がそんなスタンスなために、自分で自分のことができてない人を見ると、「なんで頑張らないの??」とも思っていました。
他人に優しくできる子を見て、自分のおかしさにはっと気づいた。
長らくそんな状態でしたが、自分のおかしさにはっと気づく出来事がありました。
私が大学生のときに、小学六年生の男の子の個別指導講師をしていました。授業が終わって一緒に教室を離れようとしたときに、その子に、
「せんせー俺のコートとってー!」
と言われました。私は、毒母にいつも「自分でやりなさい!」と怒鳴られていたので、
「自分でとるの!」
と答えました。でも、後日同じシチュエーションになったときに、
その子が自分のコートをとるついでに、私のコートもとってくれたのです。
私は彼の振る舞いに驚いて、
「そういう優しい行動をしていいんだ…!」
と、はっとしました…!
また、自分がカリカリした振る舞いをしているのに、自分の半分程度の歳の子が温かい振る舞いをしているという意味でも驚いて、
「いじのわるい大人になっちゃだめだ…!!」
と感じました。
人に頼れる性格になる、甘えられるようになる方法。
まず人に頼れない自分に気付く。
人に頼れない自分に気づくようにしましょう。無理してる自分、ストレスを抱えている自分に気付くようにしましょう。
他の人の頼ってる姿にイラッとしたら、
「同じことを自分は頼れないんじゃないか?頼れないからイラッとするんじゃないか?」
と考えてみるのがおすすめです。「人に頼れない自分」に気付くきっかけになります。
人によく頼る人の意見を聞く。考え方をもらう。
人に頼れる人をお手本にしましょう。何事も、できている人を真似するのが近道です。
人に頼れるタイプの友達と話したら、こう言っていました。
- 自分ができないって分かってるから人に頼る。頼らないと生きていけない。
- ググれとか冷たいこと言わないで、教えてあげればいいじゃん!
- 人に聞くようにすると、その分コミュニケーションがとれる。
私は、
- 自分がしっかりしていないと生きていけない。
- 頼れるのは自分だけなのだから、普段から生き抜く力を上げないといけない。
- ググれば早いのに。みんなスマホとか持ってるでしょ。文字打てるでしょ。ツイッターやLINEで聞くなら、その時打つ文字をどうしてそのままGoogleの検索ボックスに入れないの?
- 人に聞くと、相手の集中力が途切れる。時間泥棒してるみたい。
と思っていました。正反対!
人は一人では生きていけない。助け合うことが当然、と考える。
基本的には人は一人では生きていけません。
社会で生活する限り、誰かしらと関わって生きていきます。引きこもりの人だって、食品を買いに外に出ます。一人で生きていけるのは、無人島や山奥で生活する人くらいでしょう。
「人は一人じゃ生きていけない」
「人に頼って当然」
「人に頼られて当然」
と、まず頭で理解するところから始めます。
人に頼れない自分に気付いたら、「頼って良いんだよ」と許可を出す。
「◯◯じゃなきゃだめだ!」と思ってる自分に気付いたら、
「そういうふうにしなくていいんだよ。頼っていいんだよ。」
と自分に許可を出します。
- 「人に聞いちゃいけないんだ!自分で解決しなきゃいけないんだ!」
→誰かに聞いて良いんだよ。 - 「自分でできない…大変…どうしよう…。」
→誰かに頼って良いんだよ。
とひとつひとつ、許可を出しましょう。
最初は「いやそうは言ったって、腹落ちできない…」と思うかもしれませんが、だんだん自然に切り替えられるようになります。
頼られると嬉しい人。教えてあげたい人もいる。
世の中には「頼られると嬉しい」「教えてあげたい」というタイプの人がたくさんいると、知っておきましょう。
自分で何でも完結してしまうと、そういった人は「頼ってほしかった…」と悲しんでしまいます。
周囲の人に頼れる自分になる、おすすめ本。
がんばらない成長論
仕事も、お金も、人間関係も、ぐーんと成長。心屋式・がんばらない成長。
性格リフォームカウンセラー心屋仁之助さんの、ゆる~い本です。
迷惑をかけるより、迷惑かけまいとがんばるほうが迷惑なのです。
迷惑かけないようにがんばると、他人に感謝を強要するようになるからです。
(略)絶対的なキーワードがあります。それは、成長しようとがんばることを、やめてしまう、ということ。
思いもよらぬ成長が、ここから始まります。
幸せに過ごすにも、成果を出すにも、頑張りすぎずに、脱力したり、人に頼った方が良いですよ、という本です。
私はこの本から、脱力できている人の考え方と、頑張ることをやめられなかった自分が周囲に頼れるようになるための具体的な方法を学びました。
心がふんわりほぐれていきます。おすすめ。
まとめ。上手に人に頼れるようになると、生きることが楽になる。
とはいえ、過度に頼り過ぎてしまうのは問題だなーと思います。
甘やかされて育った一人っ子の友達(20代後半・女性)が、靴紐を結ぶことさえできなくて、私に、
「靴紐結んでえ~♪」
と言ってきたことがありました。これはさすがに痛い。(ゴメンネ。でも私は受け入れられマセン。)
以前は私も人に頼れないタイプでしたが、今では人に頼れるようになった上、さらに、 「そもそも人にSOSを出さなきゃいけなくなるような、心に負担がかかる行動をしてることがNGだよね。」 と思ってます。
人に頼れなくてお困りの方、安心してください。人は変わります。
小さなことから、上手に頼れるようにシフトチェンジしてみましょう。生きることがきっと楽になるはずですよ。